2地域居住を始めてこの秋で満10年になります。
東京と、ここ北海道羊蹄山南麓の真狩村との往復生活ですが、なぜそのような生活スタイルを実践するようになったのか、私の記録メモとしても残したいこともあり、興味のある方に向け、徐々にお伝えしたいと思います。
私の職業は都市計画コンサルタントです。
まちづくりの仕事で、北は北海道から南は九州まで、全国の市街地の課題解決のための計画づくり・設計に携わってきました。
例えば東京のまちづくりは、高度成長期に不足する住宅が、無計画に拡散することを防ぐことを大きな目的の一つとして行われてきました。
その取組は、公共施設、道路・公園・下水道などの生活に欠かせない基本インフラを過不足なく整備し、生活環境の改善を図ることが大きな主眼でした。
私も、まちづくりの課題解決のため地方公共団体、都市再生機構(昔の住宅公団)等の仕事にずっと関わってきました。今も、東京でそのような仕事を続けています。
近年はそのような公共の取組が効を奏し、基本インフラについてはかなり整備が進んできましたが、一方で、私的空間つまり個々人の住宅については相変わらずの“ウサギ小屋”状態がほとんど解消せず、今現在でも都内では住宅地面積30坪程度の戸建住宅が再生産され続けています。
窓を開ければ隣の家の壁に手が届くかのような、密集市街地があいも変わらず存在し続けているのですね。
私は、20年前ほどから、そのような過密空間、密集市街地の再生産の仕事を続けることに罪悪感を感じるようになり、また別の、ゆとりある空間づくり、そこでの生活もありえるのではないかと思うようになってきていました。
それが、東京とは別の拠点づくり、2地域居住を志すようになった動機です。
長くなりました。この続きは、また次に投稿したいと思います。
下記に添付した絵は、JR北海道の社内誌の表紙を担当しているグラフィックデザイナー藤倉英幸氏の絵です。夏の羊蹄山の1シーン。ここニセコ羊蹄山山麓の地域の、豊かでのびやかな雰囲気を良く伝えている作品の1つです。
商業的な目的ではないので、ここで紹介させていただくことを許していただきたいと思います。この作者は、北海道全域を紹介していますが、ニセコ羊蹄山山麓が出身地で、この地域に強い思い入れを持たれています。とても共感できる思い入れ、作品群です。この地の良さをご紹介するには欠かせない作品がたくさんありますので、今後も、是非、違う作品もご紹介したいと思います。